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教育・研究
期待される新しい日本の「中国学」とは。特別講座「未曽有の大変局のなかでアジア共同体の未来を語る」第15回
2025.02.25
本学では、一般財団法人ユーラシア財団from Asia助成による特別講座を開講しています。
今年は「未曽有の大変局のなかでアジア共同体の未来を語る」という全体テーマのもと、アジアの諸問題に関する専門家や有識者を講師として招へい。
全15回のオムニバス形式で講義を行いました。
1/16(木)に開催された第15回は、「激動する世界 東アジアの新しい可能性」をテーマに本学の朱建栄客員教授が講演。

本講座を担当する朱教授に、2025年に入り、世界情勢の大きな変化が予想されるなか、「中国、日本をはじめとするアジアは何ができるか」について、お話しいただきました。
講義冒頭、朱教授は、アメリカ、日本、中国の視点から、この1年間における世界の変化と「10大リスク」の予測を紹介。
各国のリスク予測を総括して、「『トランプ2.0』の始まりにより、2025年はリーダーシップ、ルール、秩序が弱まる世界が訪れることが最も懸念されている」と解説しました。
続いて、中国の政治社会・経済について言及。
現在の中国の政治社会体制の特徴を解説するとともに、「世界は中国に対する見方を変え、さらに中国自身も方向性を模索するべき」と語り、自身の著書も引用しながら中国の現在を考察しました。

朱教授

講義後半は、日本における「中国観」が話題に。
先人や中国研究者の見解を紹介しながら、日本の新しい「中国学」を解説した朱教授は、「日本には伝統的に、中国とも欧米とも異なる日本的な『中国観』がある」「米中競争の現在こそ、新しい『中国学』の形成が期待される」と語りました。
最後に、朱教授は中国のことわざにある『抛磚引玉』(自身の未熟だったり誤りのある意見をまず述べ、他人の価値ある意見を引き出す)を引用し、「21世紀の中国論とアジア論の形成に一石を投じたい」として、講義を終えました。
講義終了後、受講生が講座の感想や学生へのアドバイスを述べ、15回にわたる講座を締めくくりました。
一般財団法人ユーラシア財団 from Asia 助成 特別講座
https://www.tyg.jp/koukaikouza/oneasia/index.html